風雨や太陽の日差しから住宅や人命を守る屋根は、適切なメンテナンスを行わなければ、年々劣化していきます。
屋根のメンテナンスには、大きく分けて3つの工事があり、劣化具合によって異なります。
防水機能がなくなる前に行う「屋根塗装」、既存の屋根の上から新しい屋根を重ねる「重ね葺き(カバー工法)」、耐用年数が過ぎた劣化が激しい屋根を交換する「葺き替え工事」などです。
屋根塗装は、屋根材の耐用年数を伸ばす役割もあり、定期的なメンテナンスが必要です。
しかし、屋根そのものが痛んでいる場合や、屋根内部にまで劣化がある場合には、状況に応じた工事が必要となります。
今回は、屋根そのものを交換する「葺き替え工事」について、屋根材の特徴から施工の流れまで解説していきます。
ぜひ参考にしてください。
目次
葺き替え工事を検討する前に セルフチェック
屋根は紫外線や風雨から住宅を守ってくれる大切な部分ですが、屋根の劣化は地上から中々発見しづらいものです。
もし、屋根に痛みや破損が生じると、雨水が住宅内部に入り込み、住宅そのものを劣化させてしまいます。
ただ、初期段階で劣化を発見できれば、住宅自体を長持ちさせることができます。
リフォームなどで多額の費用を発生させないためにも、日頃から目視でチェックしてみてください。
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今まで一度も屋根のメンテナンスを行ったことがない
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塗装の剥がれや変色がある
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屋根瓦に、割れやズレがある
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屋根にサビや腐食、カビやコケが発生している
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台風や強風雨の後、点検をしていない
葺き替え工事のメリット
葺き替え工事は、屋根が深刻なダメージを受けている時のリフォーム方法と認識されていますが、築年数が長い場合や不安がある場合にもオススメの工事です。
まずは、屋根そのものが新しくなるため、外観の印象を変えることが可能です。
葺き替え工事は、屋根全体を取り替える際に、屋根の下地(野地板)まで調査し、腐食がある部分は補修したり、新しいものに交換します。
こうすることで、屋根そのものの耐久性を上げることができます。
また、既存の屋根材よりも軽い屋根材で葺き替えるため、軽量化し、耐震性が高まります。
葺き替え工事のデメリット
葺き替え工事は、既存屋根材を撤去してから新たに屋根を施工するため、2〜3週間ほどかかることもあります。
天候や時期によっては、工事期間が長期になってしまうこともあります。
また、屋根全体を交換するため、工事費用は高額になりがちです。
しかし、一時的に費用がかかるとはいえ、長期的にかかるトータルコストを抑えることが可能です。
葺き替え工事と重ね葺き工事(カバー工法)との違い
葺き替え工事と重ね葺き工事(カバー工法)との大きな違いは、「既存屋根を撤去してから、新たな屋根材を施工する」か「既存屋根材を撤去せずに、その上からルーフィング施工して、新たな屋根材を施工する」かの違いです。
重ね葺き工事(カバー工法)を施工できる場合は限られており、例えば元々の屋根材が和瓦などのように大きな凹凸や波型がある場合には、重ね葺き工事(カバー工法)の施工はできません。
しかし、スレート屋根材のように比較的平らな屋根の場合には、施工が可能です。
いずれの施工を行なう場合でも、屋外での工事の為、期間中でも普通に生活が可能です。
葺き替え工事 | 重ね葺き工事(カバー工法) | |
費用 | 高額 | 葺き替え工事よりは安い |
期間 | 2週間ほど | 1週間ほど |
使用できる屋根材 | ほとんど施工できる | 制限がある |
耐震性 | 高い | 低い |
トータルコスト | 高い | 低い |
屋根材の種類と耐用年数
屋根材には種類が多くあり、それぞれ特徴や耐用年数が異なるため、予算や目的に応じて選択する必要があります。
また、屋根内部にある防水シートや野地板の寿命は30年ほどなので、葺き替え工事の際に交換しなくてはいけません。
スレート
スレートは、デザイン性が高いという特徴があります。
化粧スレートと天然スレートがありますが、素材以外の特徴に、大きな違いはありません。
主に、セメントや岩石を板状にした屋根材で、近年の住宅では人気があります。
軽量のため耐震性も高く、耐用年数は20年〜25年ほどです。
しかし、割れやすく定期的な塗装も必要です。
粘土瓦(日本瓦)
日本の住宅によく合う、粘土を焼いた瓦です。
厚みがあり、耐久性に優れているという特徴があります。
また、耐火性や耐熱性、遮音性に優れており、耐用年数は50年以上となっています。
しかし、重量があるため耐震性が低く、台風や強風時に破損しやすいというデメリットもあります。
セメント瓦、乾式コンクリート瓦
粘土瓦のメリットを保持しつつ、値段が安めなセメント瓦・コンクリート瓦ですが、耐久性は粘土瓦ほど高くはありません。
セメントやコンクリートをプレスして作られており、耐久性は30年〜40年となります。
主な特徴は粘土瓦と同じですが、屋根塗装の定期的なメンテナンスが必要になります。
ガルバリウム鋼板
一般的には和瓦は1㎡あたりの屋根材重量が約50kgですが、ガルバリウム鋼板は1㎡あたりの屋根材が約5kgと、屋根重量をかなり軽くすることができます。
屋根を軽量化すると、建物の重心が下がって耐震性が上がり、地震の際に揺れなどを軽減することができます。
また、最近では断熱材一体型のガルバリウム鋼板屋根材が主流となっており、断熱性も向上することができます。
アスファルトシングル
海外で、最も人気とデザイン性が高い屋根材が、アスファルトシングルです。
ガラス繊維にアスファルトを染み込ませた後、石を吹き付けてシート状に固めたものです。
耐震性、耐音性、防火性、防水性が高く、耐久性は25年ほどです。
メリット豊富ですが、表面に石が吹き付けられているため、メンテナンスを怠るとカビやコケが発生しやすいというデメリットがあります。
目的に合った屋根材を選ぶ
屋根材には多くの種類があり、それぞれに特徴があります。
どの屋根材を選択するかで、価格が大きく異なります。
そのため、価格やデザインだけでなく、耐用年数やメンテナンス頻度、ご自宅に合わせた機能なども考慮した上で選ぶことが重要です。
耐久性・工事金額・付加価値(断熱性など)を考慮して決めるなら、近年最も人気があるガルバリウム鋼板屋根材(例:スーパーガルテクト)がオススメです。
屋根材ごとに優れている点はさまざまなので、「何を優先するか」がポイントとなってまいります。
例えば、
- とにかく頑丈で耐久性が高い屋根材にしたい
- 耐震性を考慮して、とにかく軽い屋根材にしたい
- 見た目・色合いが好みの屋根材にしたい
など、お客様によって優先される点はさまざまです。
しかしながら、雨漏りの心配がなく、耐久性が高い屋根材、という点は譲れないところだと思います。
ご自宅の立地や環境に合わせた屋根材を検討すると良いでしょう。
葺き替え工事の流れ
1 足場
高所での作業には、必要な作業です。
資格を持った職人が、足場を組み立てていきます。
外壁塗装工事と一緒に行うと、費用を節約することが可能です。
2 既存屋根材の撤去
現在の屋根に使用されている屋根材を撤去していきます。
大きな音やホコリが出ないように、注意しながら作業していきます。
その際、屋根材の下にある防水シートも一緒に撤去します。
3 下地調整
下地を目視で確認し、必要に応じて補修や補強を行います。
下地調整をしっかり行わないと、仕舞いが悪くなり、屋根の歪みや雨漏りを引き起こしてしまいます。
4 コンパネ施行
既存の野地板の上から、新しいコンパネを増し張りしていきます。
痛みや腐食がある場合には、新しいコンパネに張り替えます。
野地板をしっかり設置しないと、屋根材が強風で飛ばされてしまいます。
5 防水シート(ルーフィング)の設置
防水シート(ルーフィング)は、雨漏りを防ぐ重要な建材です。
防水シートにも種類があり、耐用年数が長いものを採用する方がオススメです。
施工後は確認することができないので、手抜き工事されることもあります。
防水シートの施工写真は、必ず業者の方に確認してください。
6 新しい屋根材の設置
新しい屋根材を設置していきます。
基本的に、軒先から上の方に向かって葺き上がります。
屋根材は、お客様の目的や予算に応じて選択していただきますが、屋根材によって作業日数が異なることもあります。
7 板金の取り付け
屋根の葺き替えが終わったら、足場を撤去して引き渡しです。
メーカーによって保証がついている屋根材もあるので、業者の方に確認してみましょう。
工事期間は2週間ほど、葺き替え費用は屋根材によって大きく変化しますが、一般的に200万円前後となっています。
8 足場解体後、引き渡し
屋根の葺き替えが終わったら、足場を撤去して引き渡しです。
メーカーによって保証がついている屋根材もあるので、業者の方に確認してみましょう。
工事期間は2週間ほど、葺き替え費用は屋根材によって大きく変化しますが、一般的に200万円前後となっています。
堺市の屋根葺き替え工事なら桜建装へ
まずは「葺き替え工事が必要なのか?」屋根の専門業者にチェックしてもらう必要があります。
工事には、葺き替え工事以外にもカバー工法などで対応できる場合があるからです。
専門業者なら、下地の劣化だけでなく屋根の形状や勾配に適した屋根材を見極め、費用を抑えることができる工事をご提案してくれます。
もし、あなたが堺市で屋根葺き替え工事を検討しているなら、桜建装へご相談ください。
私たちは、堺市を中心に登録実績170件以上ある屋根の専門業者です。
屋根葺き替え工事だけでなく、屋根塗装やカバー工法、点検だけのご相談も可能です。
土日でも対応可能ですので、お気軽にお問い合わせください。