屋根の老朽化が気になりはじめて、葺き替えを検討している方もいるかもしれません。
もし雨漏りが発生しているようなら、屋根の葺き替えで修理できる可能性は高いといえます。
ただ、屋根の葺き替えは大きな費用のかかる修理工事です。
むやみに実施してしまうとお金を無駄にすることになりかねないので、屋根の状態を良く吟味した上で検討しなければなりません。
そこでここでは、屋根の葺き替え工事が必要になるタイミングや、葺き替えにオススメの屋根材などをまとめて紹介していきたいと思います。
目次
屋根の葺き替えの具体的な工程
屋根の葺き替えとは、既存の屋根を撤去した上で新しい屋根を取り付ける工事です。
屋根全体をそっくりそのまま交換してしまうので、非常に大掛かりな工事となります。
具体的には以下の工程で、葺き替え工事は進んでいきます。
既存屋根の撤去
屋根の葺き替えでまず取り掛かるのは、既存の屋根の撤去工事です。
瓦やスレートなどの屋根材と、ルーフィングシートを全て取り除いていきます。
撤去には多くの人員が必要となるため、それなりの費用がかかります。
また、撤去した屋根材は産業廃棄物扱いとなるので、処理する費用も発生してきます。
2004年以前に建てられた、化粧スレートの屋根のお宅の場合、スレートにアスベストが含まれる可能性があります。
もし、アスベストが含まれる化粧スレートが使われていた場合は、健康被害を出さないために飛散防止対策が必要なため、撤去費用が割高となります。
また、処理費用も割高になるので覚えておいてください。
下地の補修
既存の屋根を撤去したら、野地板と呼ばれる屋根の下地材があらわになります。
普段チェックできない部分なので、屋根の葺き替えに合わせて補修してしまう必要があるでしょう。
野地板まで雨水が達していた場合は、木材が腐食しているおそれもあります。
放置しておくと腐食が広がってしまうので、被害が広がる前に補修してください。
また、腐食が見られない場合でも、補強の意味を込めて新しい野地板を重ねて貼り付けることが一般的です。
ルーフィングシートの取り付け
ルーフィングシートとは、雨水をシャットアウトする防水シートのことです。
新しい屋根材を取り付ける前に、まずは屋根の内側に貼り付けていきます。
雨漏りを完全に防ぐためには、欠かすことのできない工程ということができるでしょう。
ルーフィングシートは、雨漏りを防ぐ最終防衛ラインということもできます。
それほど高価な建材でもないので、できるだけ長寿命で性能の高いものを使うことをオススメします。
新しい屋根材の取り付け
ルーフィングシートを下地に貼り付けたら、新しい屋根材を取り付けていきます。
最近では屋根材にも様々な種類があるので、機能と費用をよく吟味して選ぶようにしてください。
当然ですが、選ぶ素材によって費用も変わってきます。
ちなみに、屋根の葺き替え工事には足場の設置が必須のため、工事の前後には足場の設置と撤去も工程として入ってきます。
全てあわせるとかなりの工程が必要な工事のため、一週間から10日程度はかかると考えておいてください。
葺き替えが必要となる時期の目安
屋根の葺き替え工事は、基本的には屋根材が劣化してダメになったタイミングで実施します。
塗装を塗りなおすことで屋根材の寿命を延ばすこともできますが、いずれは屋根材自体が劣化してしまうでしょう。
目安としては、20年~30年に一度くらいの頻度で実施していくことになると思います。
ただし、雨漏りしているからといって、必ずしも屋根の葺き替えが必要とは限りません。
屋根材のちょっとした破損が雨漏りの原因となっているケースもあり、このような場合だと部分的な補修で十分雨漏りを修理することは可能です。
とは言え、葺き替えのタイミングが遅すぎるのも問題です。
なぜなら、屋根の下地まで腐食してしまって雨漏りが発生しているような状況なら、家全体の老朽化が進んでしまうおそれもあるからです。
屋根から浸入した雨水は、柱などを伝って建物中に広がり家全体を腐食させてしまいます。
もし、建物全体が腐食してしまうようなことになれば、修理することは不可能で建て替えが必要になってしまいます。
こうなると多額の費用が必要となってしまうので、このような事態になる前に屋根の葺き替えを実施する必要があるといえるでしょう。
葺き替えに必要な費用
一般的な住宅の場合、屋根の葺き替えにかかる費用の目安は60万円~200万円程度です。
選択する屋根材や、必要となる作業によって費用が大きく異なるので、かなり相場価格には幅があります。
とは言え、かなりまとまった金額が必要になることには変わりありませんね。
屋根の葺き替えには大きな費用が必要なため、実施するかどうかも慎重に検討しなければなりません。
屋根の劣化が気になるような状態だとしても、部分的なメンテナンスで補修できることも多いのです。
そのため、まずは優良な業者にアドバイスを求めて適切な対応をすることが大切なこととなります。
ただし、どれだけメンテナンスを適切に行っていたとしても、家の寿命を延ばすにはいずれ必要になる工事です。
住宅にとって必要なランニングコストなので、少しずつ準備するようにしてください。
葺き替えにベストな屋根材は?
葺き替えは、屋根を丸ごと取り替えてしまう大規模な工事です。
せっかく大掛かりな工事を実施するなら、できるだけ優れた屋根材を採用したいものですよね。
現状で最もオススメできる屋根材は、ガルバリウム鋼板になります。
ガルバリウム鋼板とは、鋼板をアルミニウム・亜鉛・シリコンからなる合金でメッキした建材です。
金属ですが非常にサビに強いため、屋根だけでなく外壁の建材としても使用されています。
また、ガルバリウム鋼板は非常に薄い材料のため、他の屋根材と比べても非常に軽量です。
屋根が軽量になるとその分、建物本体への負担が減るため、家自体の寿命を延ばすことにも期待が持てるのです。
さらに、屋根が軽量になることで耐震性も向上します。
ガルバリウム鋼板は、屋根材として必要な機能を高次元に兼ね備えています。
そこまで価格の高い屋根材でもありませんので、採用を検討してみるのもいいかと思います。
費用を抑えたいならカバー工法も選択肢の一つ
葺き替えの場合既存の屋根を撤去するので、当然ながら撤去費用や処分費用もかかってきます。
この費用も結構高額なため、屋根の葺き替え費用の総額を押し上げる原因となっています。
できることなら、屋根の葺き替え費用もできるだけ安く押さえたいものですよね。
そんな方は、カバー工法を検討してみるのもいいかもしれません。
カバー工法とは、既存の屋根の上から新しい屋根を取り付けてしまう工法です。
既存の屋根を撤去しないため、その分撤去費用や廃材の処分費用を省くことができることになります。
ただし、カバー工法は屋根が二重となるため、その分重くなり建物への負担が大きくなります。
そのため、既存の屋根がある程度軽量なスレート屋根か金属屋根でなければ施工できません。
それから、屋根の重量を抑えるために、カバー工法を選択する場合は軽量なガルバリウム鋼板を屋根材として選択することになります。
ガルバリウム鋼板は屋根材として非常に優れた建材なので、この点は問題ありませんね。
カバー工法では、既存の屋根を撤去しないため下地を補修できません。
もし腐食が進んだままカバー工法を施してしまうと、見えない部分で劣化が進行して取り返しの付かない状況になるおそれもあります。
また、下地を補修しようと思っても、屋根材を2つ分撤去する手間が発生してしまいます。
そのため、カバー工法を選択する場合は、下地に劣化がないか十分検討する必要があるでしょう。
すぐ葺き替えを勧める業者には注意
葺き替えは、屋根の修理の中でも最も費用が大きくなる工事です。
業者にとっては負担も大きくなりますが、儲けも大きくなる工事と言えるでしょう。
このような理由から、悪徳業者の中には、利益が大きく取れる葺き替えを無理に勧めようとするところもあるため注意が必要です。
突然家にやってきて、「このままでは屋根が崩れてしまう」などと不安を煽ってくる業者の言うことは信じないようにしてください。
屋根の調査もろくにしていないのに、葺き替えを勧めるような業者であれば悪徳業者である可能性を疑った方がいいといえます。
葺き替えには大きな費用がかかるため、騙されてしまっては経済的なダメージは計り知れません。
また、雨漏り工事が苦手な業者も、葺き替えを勧めるケースが多いようです。
雨漏りの原因が特定できないとしても、屋根を丸ごと取り替えてしまったら雨漏りを止めることができますからね。
雨漏り修理の相談をする場合、きちんと原因を特定した上で、修理の方法を提案してくれる業者を選ぶようにしてください。
屋根の不具合のことなら桜建装にご相談ください
屋根の修理では、葺き替え以外の方法も選択できるケースがほとんどです。
劣化の状況や不具合の原因次第では、部分的な補修で十分雨漏りを解決できてしまいます。
極端な場合だと、瓦を一枚交換しただけで、雨漏りなどの不具合が修理できてしまうケースも考えられます。
屋根に関わる業者にまず必要となるのが、雨漏りの原因をしっかりと突き止める確かな技術力です。
雨漏りに詳しくない業者にいくら調査を依頼しても、適切な修理を実施することができません。
そこで、雨漏りなど屋根の不具合でお困りなら、まずは私たち桜建装にご相談ください。
屋根の専門店である私たちなら、屋根の裏までもぐりこみ必ず原因を突き止めることができます。
もちろん、状態によっては葺き替えが必要なケースもありますが、お客様にとってベストな選択ができるよう徹底的に調査の上ご提案させていただきます。
葺き替えだけでなく、屋根瓦一枚の交換から対応いたしますので、屋根に関するご不安は何でもご相談ください。