屋根の修理を実施する際、最も気になるのがコストですよね。
屋根の葺き替えを実施するとなると、100万円をこえる費用がかかると考えておいた方がいいでしょう。
100万円をこえるような金額は、そう簡単には出せませんね。
そこで、屋根の葺き替えと同時に、カバー工法も検討してみるといいでしょう。
カバー工法なら、葺き替えにかかる費用を抑えながら同じ修理効果を期待できます。
ここでは、カバー工法の特徴や、採用する際の注意点などを詳しく紹介していきましょう。
目次
カバー工法とは?
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根を重ねて取り付ける修理方法です。
重ねて屋根を取り付けることから、重ね葺きや被せ工法とも呼ばれます。
塗装や部分的な修理とは異なり、屋根が完全に新品になるメンテナンス方法です。
既存の屋根に直接ルーフィングシートを取り付け、その上から屋根材を被せていきます。
新品のルーフィングシートも取り付けることにより、雨漏りのない屋根を実現できるのです。
既存の屋根に重ねて取り付けるため、屋根材は軽量な物を選択する必要があります。
最近では、ガルバリウム鋼板という軽量な金属屋根を採用するケースが多いですね。
カバー工法の特徴
カバー工法には、葺き替えとは異なる特徴があります。
メリットも大きいことから、葺き替えよりカバー工法を選択する人も増えてきているのです。
カバー工法には、以下のような特徴があります。
葺き替えより工事費用が安い
屋根の葺き替えを実施する場合、新しい屋根の取り付け費用に加えて屋根の撤去費用も必要になります。
既存の屋根の撤去も職人が手作業で行うので、人件費が必要となるのです。
また、撤去した屋根材は産業廃棄物となるため、処理費用も別にかかります。
カバー工法を選択した場合、既存の屋根を撤去しないため、撤去費用と廃棄物の処理費用を丸ごと浮かせることができます。
その上、葺き替えと同じく新しい屋根を設置できるので、お得に屋根全体のリフォームを実現することが可能なのです。
工期を短縮できる
カバー工法では既存の屋根を撤去しないため、その分工期が短くなります。
屋根の撤去にもかなりの時間を必要とするため、葺き替えにかかる日数の半分程度を省略できるでしょう。
通常の葺き替えには2週間から1ヵ月程度の時間が必要ですが、カバー工法なら1週間から2週間程度で屋根の修理を完了できます。
屋根のリフォーム工事では、どうしても騒音や埃などが出てしまいます。
あまりに工事が長期間に渡ってしまうと、生活にも支障が出てしまうおそれがあるのです。
工期が短くなれば、生活への影響も最小限に抑えることができるでしょう。
また、騒音や埃が出ることにより、近隣に住む方とのトラブルに発展する可能性もあります。
工期が短くなることで、近隣住民の方に迷惑をかけることも少なくて済みます。
防音性や断熱性が向上する
カバー工法で屋根を取り付けると、必然的に屋根が二重になります。
屋根が二重構造になるため、結果として断熱性や遮音性が向上してくれるのです。
カバー工法に使われるガルバリウム鋼板は、金属のため雨音が響きやすい傾向にあります。
しかし、カバー工法なら既存の屋根が雨音をシャットアウトしてくれるので、「雨の日にうるさい」という心配もありません。
カバー工法を選択する際の注意点
カバー工法を採用する際には、気をつけておくべき注意点がいくつかあります。
この注意点をないがしろにしてしまうと、リフォーム後に思わぬトラブルを引き起こしてしまいかねません。
そのため、よく注意点も理解した上で、葺き替えとカバー工法のどちらを採用するか検討する必要があるでしょう。
カバー工法の注意点は、以下の通りです。
下地の劣化には最大限の注意が必要
カバー工法では、屋根の下地を修理せず新しい屋根を取り付けていきます。
そのため、下地が劣化した状態ではカバー工法で屋根をリフォームすることはできないのです。
もし下地が劣化したままカバー工法を実施してしまうと、下地がどんどん腐食してしまうことになります。
最終的に下地がダメになってしまえば、雨漏りなど重大な不具合を発生させることになるでしょう。
さらに、その下地を修理するには、二重の屋根を全て撤去しなければなりません。
結果として、屋根の撤去費用も倍になってしまい、余分な費用がかかってしまうことになるのです。
また、下地の腐食が建物の構造にまで進行してしまえば、建物の寿命を縮めることになってしまいます。
もし建物の骨格まで腐食してしまったら、建て替えが必要となることも考えられるのです。
下地が劣化していて修理が必要な場合は、葺き替えを選択した方が最終的な費用は安く収まります。
一時的な費用だけでなく、将来的なコストまで考え、最適な選択ができるよう心がけてください。
優良な業者に調査を依頼しておけば、最適な提案をしてくれると思いますよ。
すでに雨漏りが発生しているようなら、下地が劣化している可能性が高いといえます。
カバー工法を選択しようと思うのなら、早めに屋根のリフォームを検討することが必要です。
屋根が多少重くなる
カバー工法は、既存の屋根に新しい屋根を被せるため、屋根全体の重量はどうしても増加してしまいます。
軽量なガルバリウム鋼板を採用したとしても、30%程度は屋根の重量が増してしまうことになるのです。
屋根の重量が増加すると、住宅の耐震性に影響することが考えられます。
棚の上部に重いものを置くと揺れに弱くなるのと同じで、住宅の頂上部である屋根が重くなると揺れを受けやすくなってしまうのです。
もちろん、軽量なガルバリウム鋼板を採用することで、重量の増加は最小限に抑えることが可能です。
しかし、どうしても元の屋根よりは重くなってしまうので、耐震性能の確認はしっかりと行う必要があるでしょう。
三重にカバー工法はできない
すでにカバー工法で屋根を取り付けている場合、その上からカバー工法で屋根を取り付けることはできません。
カバー工法で取り付けた屋根が劣化してしまった場合は、原則として葺き替えしか修理方法がなくなります。
建物をメンテナンスして長く住み続けるのなら、いずれは葺き替えが必要になるというわけです。
カバー工法で屋根を取り付けている場合、次の葺き替えでは屋根2つ分の撤去費用と廃材処理費用が必要です。
そのため、3度目の屋根のリフォームでは葺き替えにかかる費用が高くなってしまいます。
カバー工法を採用した上で、将来的なコストを最小限に抑えるためには、なるべく屋根を長持ちさせなければなりません。
そのためには、定期的なメンテナンスが不可欠なのです。
塗り替えなどで葺き替えの頻度を少なくしてしまえば、カバー工法の費用の安さを最大限活かすことができます。
雨漏りの原因特定が困難
カバー工法で屋根を取り付けて雨漏りが発生した場合、原因の特定が困難になります。
屋根が二重になっていることから、原因を二重で確認しなければならなくなるのです。
また、雨漏りが発生したということは、下地の劣化が気になるところです。
下地が劣化してしまえば、二重の屋根を撤去しなければ修理ができないので、葺き替えを実施するしか手段がなくなってしまいます。
カバー工法を施した屋根で雨漏りが発生すると、思わぬ修理費用がかかる可能性もあります。
そのような事態にならないよう、定期的なメンテナンスを実施して雨漏りが起こらないように気をつけてください。
カバー工法が使える屋根の種類
カバー工法は、どのような屋根にでも使える屋根の修理方法ではありません。
既存の屋根の種類によっては、採用できないケースや不向きなケースもあります。
代表的な例としては、既存の屋根が瓦屋根の場合カバー工法は現実的ではありません。
カバー工法では既存の屋根にルーフィングを貼り付け、その後にフラットな金属屋根を取り付けるので、波型の瓦屋根に取り付けることは難しいのです。
さらに、瓦屋根は元々重量が重いため、カバー工法による重量アップは好ましくありません。
一方で、最も普及率の高いスレート屋根や金属屋根の場合は、カバー工法に向いていると言えます。
下地が劣化してないようであれば、リフォーム方法としてカバー工法を検討する価値はあるといえるでしょう。
カバー工法を検討すべきタイミング
屋根の修理やメンテナンスは、カバー工法や葺き替えだけが手段ではありません。
塗装の塗り替えや部分的な補修により、屋根全体の寿命を延ばすことは十分可能なのです。
屋根に取り付けられている屋根材には、劣化を防ぐために塗装が施されています。
この塗装を塗り替えることで屋根材を保護してあげれば、屋根の寿命を延ばすこともできるでしょう。
カバー工法や葺き替えが必要となるのは、屋根材自体が劣化してしまい交換が必要なケースに限ります。
単なる色あせ程度なら、塗装の塗り替えで十分なケースもあるため、一度優良な屋根修理業者に調査を依頼して最適なメンテナンスをアドバイスしてもらってください。
カバー工法が施工可能かしっかり調査する業者に依頼する
カバー工法を検討する上で最も重要なことは、下地の劣化状況を見極めることです。
下地が劣化しているにも関わらずカバー工法で新しい屋根を取り付けてしまうと、すぐに葺き替えが必要になり余分な費用がかかる結果になりかねません。
しかし、既存の屋根がある状態で、下地の劣化を詳細に調査することは困難です。
そこで、屋根全体の状態を考慮した上で、カバー工法が可能かどうかを見極める業者の経験と知識が重要となります。
悪徳業者の中には、カバー工法しか勧めない業者もあるようです。
これは、葺き替えよりも費用が安くなるため、工事を受注しやすくなるからでしょう。
しかし、悪徳業者はカバー工法に適していない状況でも、同じ工事を勧めるだけです。
そのため、カバー工法を選択する前に、まずは屋根の状態をしっかりと診断してくれる優良業者に調査を依頼する必要があるのです。
カバー工法を検討中なら、屋根の状況を調査してもらい、下地に問題が無い場合にのみ採用するようにしてください。
悪徳業者に騙されてしまうと、最終的に無駄な費用がかかることになってしまいます。
カバー工法をお考えなら桜建装にご相談ください
屋根の葺き替えには、高額な費用が必要となります。
少しでもメンテナンス費用を安くしようと思うなら、カバー工法は非常に有効な手段と言えるでしょう。
しかし、カバー工法を選択するには、事前の調査がかなり重要になります。
もし下地が劣化したままカバー工法を実施してしまえば、取り返しの付かないことになりかねないのです。
そこで、カバー工法をご検討中なら、一度私たち桜建装に相談してみてください。
私たちは、屋根裏にもぐりこんで詳細な調査を実施しますので、下地の状態を的確に判断してカバー工法が可能かどうか判断することができます。
もちろん、状態に応じた適切な処置もあわせてご提案いたしますので、まずはお気軽にご連絡くださいね。